駒大・大八木総監督が分析「サブ2」の衝撃と日本人の未来
今年4月、ロンドン・マラソンで男子マラソンの歴史が塗り替えられた。ケニアのセバスチャン・サウェ選手が人類初の2時間切り、1時間59分30秒という驚異的な世界新記録を樹立したのだ。この衝撃的なニュースに、日本陸上界の名伯楽・駒澤大学の大八木弘明総監督も深い感嘆の声を漏らした。
「これはもう、すごいよ。後半(ハーフ)は59分1秒。特にラストが驚異的ですよね」と大八木総監督は語る。サウェ選手はトラックでの圧倒的なスピードを持っているわけではないが、ロードでの強さは以前から知られていた。マラソン4戦目で初戦から全て優勝しており、「やっぱり適性があったんだろうな」と分析する。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro このレースでは、従来の世界記録を更新した選手が3人も出現。大八木総監督は「2時間切りは2019年にキプチョゲが非公認で出しているので、いずれは出ると思っていた」と振り返りつつ、さらなる記録更新の可能性に言及する。「まだ前半が60分29秒なので、これが59分台までいけば、1時間58分30秒くらいまではいくでしょう」。
大八木総監督は、元日本記録保持者の藤田敦史監督や東京五輪代表の中村匠吾監督など、数多くのトップランナーを育ててきた。その指導哲学は「マラソンは持久的なところが大事だが、スピードトレーニングもバランス良くやらなければいけない」というもの。ケニア勢の練習法を例に挙げ、「朝長く走ったり、クロカン的なコースを30~40キロ走る。マラソン選手でもトラックで代表になれるくらいのスピードがないと日本記録、世界記録は出ない」と強調する。
しかし、サウェ選手の成功は「トラックであまり走っていない選手でもあそこまで速く走れるんだ」という新たな気づきも与えた。
現在の日本記録は、大迫傑選手が昨年12月に出した2時間4分55秒。2028年ロサンゼルス五輪へ向けては、指定大会で2時間3分59秒を突破した最上位選手がMGCを待たずに代表内定する「ファストパス」制度が導入されている。
大八木総監督は、9月27日に控えるベルリン・マラソンに大きな期待を寄せる。「皆、日本記録を狙いに行くので、2時間3分59秒が出る可能性もある。そのためには後半でペースを上げないと記録は出ない。前半62分ちょうどくらいで、後半61分くらいで上がってくれば2時間3分30秒くらいになる」。その鍵を握るのがハーフマラソンでの記録向上だ。「日本選手もハーフで最低でも59分30秒くらい出してほしい。そうすると62分が余裕を持って走れる」。
大八木総監督が率いるプロジェクト「Ggoat」には、世界陸上2大会代表の田沢廉選手や1万メートル日本記録保持者の鈴木芽吹選手らが所属。彼らはトラック中心の活動を続けているが、「トラックが終わったらマラソンに挑戦したいという選手がほとんど」だという。
「距離走や持久的な練習をやってみて、本当にマラソンに向いているか見極めたい」と大八木総監督。"サブ2"を達成する日本人ランナーの育成に向け、名伯楽の情熱はますます燃え上がっている。
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